参加者アンケートにご回答ありがとうございました!
頂戴しました提案や気づいたことは今後にぜひ活かしていきます。
当サイトに提言書・ワークショップをやって感じたこと、考えたことを掲載しました。広く長く多くの方にご覧いただけます。
他の方々からはどんな意見が出たか、ぜひご覧ください。
質問項目
まず、どのような質問項目の内容かを説明します。
次に、各参加者の回答を紹介します。
参加者の回答
教員・40代・女性 テレサ
質問1.新たな知見
パーム油に関する課題、私たちの意識についての課題。
質問2.心に残ったこと
ポテチからゾウの気持ちを連想してこなかったこと。一連の出来事を知れたから、意識を変えるきっかけとなった。
質問3.具体的に行動を変えるためのプラン
油の使い方、商品の製造背景を意識すること(想像すること)、知り得た情報を伝達し、一緒に考えていくこと。
その他・40代・女性 なおちゃん
質問1.新たな知見
パーム油を使用していない食品や石けんを探すことの方が難しい、それくらい多くのものにパーム油が使われているということを知りました。
パーム油に匹敵する量の油を他の植物で取ろうとすると、パーム油農園よりもっと広い土地が必要となることを新たに知りました。
質問2.心に残ったこと
経済的に余裕がないから安い物を買ってしまう。コロナでその傾向が強くなってきている。具体的な解決策を出すことはできませんでしたが、意識を変えることはできる。今の自分の行動がまずい未来を作っているという話が印象的でした。
質問3.具体的に行動を変えるためのプラン
パーム油認証マークがついている商品を買う。原材料に「植物油脂」と表示されていたら、パーム油では?と疑問を持つ。できれば、メーカーに、パーム油ではないか、と問い合わせてみる。
その他・30代・男性 M
質問1.新たな知見
パーム油は食品だけでなく、洗剤や化粧品にも使われていることを新たに知った。なるほど、あらゆる所に使われていて、かつ気付きにくく、避けるのは難しい(面倒だ)と思った。
ワークショップに参加してさらに興味を持ったので、ここからはその後自分で調べて知ったこと、思ったことを述べていく。
パーム油は固めても溶かしても使える万能な油。酸化しにくく、サクッと仕上がるという特徴がある。便利で安価なだけに、パーム油は様々な形で日常の商品に隠れている。
食用では、パン、チョコレート、アイスクリーム、ドーナツ、ビスケット、コーヒーフレッシュ、カレーのルー、乳児用粉ミルクなどに。
非食品では、洗剤やシャンプー、口紅、塗料、ねり歯磨きなどに、入っている。
パーム油が使われているとわからない理由は、原材料名に「パーム油」と表記されていないからだ。
加工食品には、食用精製加工油脂、植物油、植物油脂、マーガリン、ショートニング、などと表記される。
化粧品や洗剤には、グリセリン、オレイン酸、脂肪酸といった成分名が表記される。
だからといって、「植物油」と表記してあれば、絶対にパーム油だと断定できるわけでもない。
「植物油」の中身は、菜種油かもしれないし、大豆油かもしれないし、パーム油・菜種油・大豆油の混合物かもしれない。
なので、もしパーム油を避けようと思うなら、販売元か製造元のサイトをネットで調べるか、問い合わせるしかない。
しかも問い合わせたところで、企業秘密や「不明」を理由に開示されない場合もある。
「不明」な原材料を加工して使っているのか?と問い詰めたいが、実際に「不明」な場合は多い。
だが買う前に毎回、問い合わせなどの調査をしなければいけないのか?全商品を?消費者が全員?
面倒なこと極まりない。ほとんどの人がやらないだろう。
だいたいにして、原材料を意図的に別名表記するのは、やましい事情がある場合がほとんどだ。
そう考えれば、パーム油かその他の油を使うのかを調べるより、油を使う製品を避けた方が無難だし正しいと予測できる。だって隠しているのだから。
質問2.心に残ったこと
「よく調べもせずに、できるだけ安いモノを買う」という行為が、世界を破滅に導いているのかもしれない、と感じた。
ある参加者曰く、「食べれるだけありがたいと思いなさい。」という主婦の考えがある、とのこと。
高くて良いものを求めるのではなく、今あるものに感謝しなさい、という意味だと私は捉えた。
なるほどお金が無ければ、あれは駄目、これはダメ、と選り好みしても全てが手に入る訳もなく、言葉に出した所で気分が悪くなるだけだし状況も変わらない。
今あるものに感謝して生きた方が良い、というのも頷ける点だ。
さらに独自に考えた。
「食べれるだけありがたいと思いなさい。」という言葉は、SDGsに関連した課題に対して出る安易な回答に対するアンチテーゼにもなっている。
すなわち、できもしない理想論は役に立たない(実行されない)という点だ。
パーム油の利用によってアマゾンの森林が破壊されてしまう。じゃあ割高でも、フェアトレード商品を買おう。というのがありがちで、お決まりの解決策だ。
けれど、本当に割高な商品を買うようになるだろうか?
この考えを確かめるため、他の参加者に質問した。
割高な商品を買うかという問いかけには、ほとんどの人が「買わない」という回答だった。
台所(資金)を預かる主婦は、割高な商品は買わない。お金があればいいけれど、私達はそこまで裕福じゃない。結局、安いものを選んじゃうよね、とのこと。
ここから先は私が調べた内容と考察になる。
フェアトレードがメジャーにならないのは、まさにこの「安さ優先」という考えが根底にあるからだ。
「現地の人は助かるかもしれないが、私(だけ)が犠牲になってまで割高な商品は買わないよ。だって私はお金持ちじゃないから。」
この結局安いものを選ぶという考え・習性は、参加者全員に共通していたし、私自身にもあるし、世界中の大多数の人に共通していることだろう。
しかし参加者の話を聞いている中で、皆はただ安いものを選んでいるだけではないか?というようにも感じた。
つまり我々一般人は、目の前の安いものを選ぼうとする。
しかし表示されない、すなわち、個々の商品の原材料、製造工程、流通経路、その他諸々について詳しく知らない。知ろうとしない。
そして何かがある前に、あるいは何かがあっても、徒党を組んで糾弾しない。
なので、ここに漬け込むスキがある。
企業(グローバル資本家)は、消費者(顧客)の習性を知っている。知りすぎている。
顧客は、その商品に、ある一定の金額しか出さない。つまり売値は決まっている。
一方、商品の原材料など、商品の裏側については知りもしないし知ろうとしない。つまり原価(のあり方)は気にしていない。
では企業が利益を上げるには?
品質は一見同じ程度に”感じられる”ように保っておく。
その上で、原材料を安くし、製造工程を簡略化し、生産者(労働者)から搾取すればいい。
ここで重要なのは、品質は一見同じ程度に”感じられる”ように保つ、の”感じられる”にある。
真実はどうでもよく、実態がなんであれ、顧客に良いと”感じられれば”いいのだ。
例えば、
・栄養がなくても美味しく”感じられ”ればいい。だから長期的には害があるけど味が良くなる添加物(グルタミン酸ナトリウム)を入れる。
・健康被害も、直ちに(24時間以内に)出なければいい。だから食中毒が起きないように、長期的には害がある添加物(ソルビン酸)を入れる。
・原材料が、「石油」と書くと流石に危険だと気付かれるから、「アミノ酸」と表記する。
・農薬が少ないと売れる。だから神経毒が強いネオニコチノイド系農薬を使い、農薬散布回数を減らした野菜を「減農薬」として売る。
・シャキッとしてみずみずしい新鮮な野菜が売れる。だから人体に有害な漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)に野菜を浸し、何日も形を保つカット野菜として売る。
世界の多くは、利益追求の名のもとに、企業努力を行っている。
しかし、搾取、偽装、自然破壊、健康被害などを考慮した上で、安さを実現できるような企業努力は殆ど無いのが実態だ。
我々消費者が「安さ」だけを見て「生産の裏側」を追求しない限り、世界は破滅に向かって進むだろう。
善人と悪人の思考回路は根本的に違う。
「バレなければやっていい。むしろバレないようにやれ。バレたとしても問題ないと思わせろ」が悪人の考えだし、その考えは誰にでも、私にも潜んでいる。
「悪人」を言い換えれば、「今だけ金だけ自分だけ」「悪魔に魂を売る」「鬼になる」「人でなし」「畜生道に堕ちる」「悪事に走る」「不徳」「悪徳」「詐欺」「騙す」などがある。
表現は様々だが、本質は変わらない。悪だ。
個人は善人でも、集団に属すると悪人に変わる時もある。法人という人格が悪人という場合もある。
では具体的に、どうすればいいのか。
「バレるかもしれない、見られているかもしれない」という環境に、権力のある者・モノを縛っておくことだ。
「バレたとしても問題ないと思わせろ」という思想の元、科学論文の改ざんや、企業に都合のいいデータだけを選ぶ、なども横行している。改ざんされた根拠を元に、メディアや広告が台頭する。それら改ざんされた科学的根拠の見極めも重要となる。
「お天道様が見ている」という言葉を、ぜひ我々の心にも戒めておきたい。
質問3.具体的に行動を変えるためのプラン
このワークショップを通して、改めて考えてみた。
プランは3つある。
1.基本的に植物油は体に良くないので、摂取も接触もやめるべき。なので、そもそも使わないようにする。
2.ここでは割愛するが、植物油が健康に良くないということを、何らかの方法で発信する。
3.原材料など商品の裏側について追求し、その内容を何らかの方法で発信する。
どれも難しいが、特に3.は多くの人の協力を必要とする。
よって、ここでは3.について述べる。
企業が変わるのは、利益を損なう時か、利益が出ると予測できる時だ。
しかし先に述べたように、真にSDGsに配慮して儲かることなど殆ど無い。
なぜなら環境や健康に配慮すれば、不便で、手間隙がかかり、その分コスト(費用)が増すだけだからだ。価格は上げられないのに。(コロナ禍や円安を理由に値上げ、は別の話。)
なので企業が変わるのは、このままだと損(損害賠償やブランドイメージの損傷)をするかも、と思った時くらいだろう。
実際私が企業内で、SDGsに関する提案を上司に進言した時のこと。
熱意や信頼で主任、係長、課長あたりには話が通ったが、結局利益にならないからということでSDGs的な提案は却下された。
悔しくもあり、同時に却下された理由にも納得したものだ。
上司にはそのまた上の上司がおり、社長は株主の為に利益追求をしなくてはならない。
だから利益が出ないなら、SDGs的な行動は取れない、という理由には頷ける。
けれど、もしあの時、私の手元に「SNSで炎上している」という武器があったらどうだろう?
「SNSで炎上しており企業のイメージが損なわれて長期的には利益が減るので、火消しのためにSDGs的な行動をしなくてはいけない」と株主を含めて納得させれたのではないだろうか。
サラリーマンに、大層な志などない。さりとて、世界が壊れてしまえばいい、とも思わない。
多くの人は善人で、そりゃあ環境にだって配慮した方がいいよね、と考える人がほとんどだろう。
だからこそ、上司や株主を納得させられるだけの世論、すなわちSNSによる炎上は効果的だと思われる。
大義名分ができれば、よほど目先の利益だけを追及する人でなければ、例え企業が利益を失ったとしてもSDGs的に動く、かもしれない。
問題は、SNSで個人が企業に不利益な内容を発信した時、多くの人に賛同されなければ、たとえ事実であっても事実陳列罪のようになり、風評被害、誹謗中傷、脅迫、業務妨害、名誉毀損、などを理由に訴訟の反撃に合うかもしれないこと。
けれども多くの人が、「そういうの良くないよね」と思ってくれれば「いいね」が増えて、バズらせることができる。
そうすれば、企業も無視できなくなる。
ねずみ小僧やルパン三世ではないが、世界の暗部について勇気を持って告発する。
法律についても勉強し、ルールの範囲内で慎重かつ大胆に行動するべきだろう。
そのような気概と実力を身につけたいものだ。